フランク・ロイド・ライトは「近代建築の巨匠」の一人に数えられる、アメリカの建築家です。建築家として彼が終生追い続けたテーマ、それは「自然と建築との融合」。私たち人間が自然から得る心地よさや美しさは、普遍的なものです。建築という人工物に、普遍的な形である自然の姿を取り入れ、建物が環境と溶け合いながら、住む人にもフィットするように設計すること。これがライトの追求した「有機的建築」の理念であると、私たちは考えます。
私たちは『普遍的な形である自然の姿に学び、建物が環境と溶け合いながら、住む人にもフィットするようにデザインすること』の重要性を唱えた建築家フランク・ロイド・ライトの理念に従ってオーガニックハウスを創造していきます。
住まいの中に屋内とも屋外とも言える、曖昧な空間をしつらえることで、自然の息遣いを肌で感じながら心地よく過ごすことができます。
そこでは隙間から差し込む木漏れ日や葉擦れの音、頬をなでる夜風など自然を五感で感じることができ、日本古来の四季の移ろいを感じる日々を過ごすことができます。
照明は住み心地のよさに大きな影響を与えます。ライトは住居の照明ついて「昼は自然の太陽の光を、夜は太陽光にもっとも近い、最小限の光を」と考えていました。オーガニックハウスは、太陽光を「ガラスウォール」または「スクリーン」と呼ばれる「透けて見える壁」から取り入れることで、自然の景観や環境との調和を図り、部屋全体が心地よく、柔らかい、安らぎの満ちた空間になる様に設計します。
ライトの設計の特徴として、空間を壁で仕切らないことが挙げられます。そうすることで空間に広々と、そしてダイナミックでドラマチックな動きが生まれます。流れるような連続した空間の中に、緩やかに壁を存在させる。例えば天井に高低差をつけることで解放感と圧縮感が生まれ、それがまるで「目には見えない壁」のように感じられるのです。
オーガニックハウスでは、床・壁・天井はすべてがやわらかに連続したつながりであると捉えています。それぞれを単に直角的に接続するのではなく、交わる部分を意識的に弱め、連続したつながりとして扱うことで、しなやかで柔らかな空間を作り上げます。
ライトは「元々の自然の素材の風合いを失わないように使うべきだ」と語っています。オーガニックハウスは自然素材でなければ伝わらない温もりや質感を大切にする一方で、安全性に優れた工法や建材があれば、人工素材を取り入れた家づくりをしています。それは、安心して長く住まうための最適解は何か?を常に考えて家づくりを行なっている証でもあります。
日本間には、「正座をして礼を正す場所」と「畳の感触を感じて横になりくつろぐ場所」との相反する使われ方があります。
和の様式美を尊重し、天井の高さを抑えつつ、照明などは光と影のコントラストを強調することで、異次元な空間を作り出し、重厚さと落ち着きのある空間を作りあげます。
また、空間の中の求心点を床の間に集めることで、和室の美はより一層引き立ちます。